工場やオフィスなどにおいてはたくさんの電気機器が稼働していますが、こうした場所に必ずと言っていいほど使われているのが、結束バンドと呼ばれる製品です。これはナイロンなどの樹脂でできた細長いバンドで、主として電気の配線をまとめるのに使用されます。何本ものケーブルを壁や天井に沿って張り渡す時、そのままの状態だと途中でばらけて垂れ下がったりしてしまいますが、結束バンドでひとつに束ねておき、固定用の金具などに引っかけておけば配線をきれいに整理することができます。結束バンドは、用途や使用する場所に応じてさまざまな製品のバリエーションがあります。

たとえば直射日光や積雪などの影響を直接受ける屋外で使用する場合は、特に温度変化に強い材質のものが使われます。また、食品製造工場などのように安全性に特に気を遣う必要がある場所においても、それに見合った製品があります。食品の製造過程において注意しなければならないことの1つが、異物の混入です。異物が商品に混ざってしまうと、消費者の健康に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

そのため、食品製造工場では金属探知機などの設備を導入し、安全性を確保するための検品作業を行っています。このような場所に使われる結束バンドには、素材の中に鉄の粉末などの金属を意図的に混ぜてあります。そうすれば、経年劣化などで破断した結束バンドが誤って商品に混入したとしても、金属探知機を通すことによって出荷前にチェックすることが可能になります。